2025/10/02 01:03

Qoly × LFB Vintage店長です。
いつもありがとうございます。

先日、ウクライナ代表の古着ユニフォームをアップいたしました。
初めてLottoと契約した2002モデル。詳しい方でしたらご存知かと思いますが、なかなかレアな一着。

商品ページでも触れていますが、ここでは「袖のバージョン違い」を切り口に、2002年~2004年のユニフォームについてマニアックな視点で少し深く掘り下げてみます。

当時のウクライナでは全ての試合とはいきませんが、可能な限りの画像と動画で確認作業を行いました。調べれば調べるほど謎が深まります(笑)
【USED】
ウクライナ代表
2002 Lotto
ホーム長袖 ユニフォーム
インポートM

EURO2004予選やフレンドリーマッチで使用したユニフォーム。
Pumaとの契約が終了し、Lottoをパートナーに迎えての最初のユニフォームでした。

一般的に2002モデルと呼ばれるこのユニフォーム。A代表の使用期間は、調べた限りでは2002年9月から2004年6月までで恐らく間違いないと思います。

ですが、2002年、2003年、2004年で、それぞれバージョン違いを着ていたことが判明しました。

ちなみにEURO2004予選は、ギリシャ、スペイン、アルメニア、北アイルアンドと同じグループ6に所属。残念ながら3位となり本大会行きを逃しています。
上記画像は当商品。袖のLottoマークの色は「白地に紺のロゴ」です。
実は2002モデルには、このロゴ部分のデザインがなんと3種類も存在します。ちょっと意味がわからないというか。

それでは、実際の選手の着用姿でその3種類をご紹介しましょう。

パターンA:Lottoロゴ無し
この2002モデルが初めて登場したのは、2002年9月7日に行われたEURO2004予選のアルメニア戦でした。

上の画像は同年10月のEURO予選 北アイルランド戦ですが、袖にLottoのロゴマークはありません。
ダークブルーで塗り潰したような感じですが、上からシートを重ね貼りしたようにも見えますね。

このLottoロゴ無しバージョンは2003年2月の親善試合トルコ戦まで使われました。

パターンB:赤地に白のLottoロゴ
2003年3月のEURO予選 スペイン戦からは、赤地に白のLottoロゴが登場します。Lottoのブランドイメージに最も近い色ですね。
この画像は同年4月に行われた親善試合のデンマーク戦。選手はレジェンドのアンドリー・シェフチェンコです。

この赤白Lottoロゴのバージョンは、少なくとも同年9月のEURO予選 スペイン戦まで使用しました。

2003年最後の代表戦は10月の親善試合マケドニア(※現在の北マケドニア)戦。この試合はウクライナのホームゲームでしたが、ユニフォームはブルーのアウェイを着用したようです。

パターンC:白地に紺のLottoロゴ
そして3つ目が当商品と同じ白地に紺のLottoロゴです。
このバージョンは2004年6月の親善試合フランス戦での着用を確認できました。

しかしパンツはよく見ると2002モデルではありません。後継の2004モデルにも見えます。同じイエローでも色味が異なるため、上下でちぐはぐな印象。アンバランスですね。

実はBとCの間に別のユニを着用
これも非常に謎なのですが、実はパターンBとCの間に全く別のユニフォームが使われています。

上の画像は2004年3月に行われた北マケドニアとの親善試合(5か月間で2試合目)ですが、青い襟付きで両脇に青いラインの入ったユニフォームを着用していました。当時のLottoのテンプレデザインですね。

このキットは2004年最初の代表戦となった、2月の親善試合リビア戦でも着用していました。もしかしたら、この時期にNEWモデルとして投入する予定でもあったのでしょうか。
リビア戦の次(つまり2戦目)が先の北マケドニア戦なので、少なくとも2004年の最初の2試合は違うユニフォームを使用し、その後6月のフランス戦で再び2002モデルを着たことになります。

なお、北マケドニア戦とフランス戦の間となる4月にホームでスロバキアと親善試合を開催。
少ない情報を手掛かりに確認したところ、この試合でも北マケドニア戦のようにウクライナはブルーのアウェイキットを着たようです。

せっかくなので、海外のユニフォームサイトではあまり見かけないアウェイを。
フランス戦の次の試合となった2004年8月のイングランド戦でも、このアウェイを着用しています(ホームのイングランドが赤いアウェイを着たため)。
上の画像はそのイングランド戦。

そして9月の2006W杯予選デンマーク戦から、後継の2004モデルを使用開始となりました。
4月のスロバキア戦は恐らくアウェイキットを着用。
ということは、2004年のフランス戦以前の全ての試合で当ユニフォームは使われていないということになり…

つまり「白地に紺のLottoロゴ」バージョンは、少なくともA代表ではフランス戦のみ使用した1試合だけのユニフォームという可能性が高くなります。
(他の試合を見落としていない限りは)

なぜ2002モデルを使用した1年9か月でこのような展開となったのか。本当に不思議ですね。

【追記】
改めて赤白ロゴのパターンBを別画像で確認したところ、パターンCの白紺ロゴよりも一回り小さめであることが分かりました。
もしかしたら、白紺ロゴのサイズがUEFAのキットレギュレーションに抵触し、そのためEURO予選では使えなかったという可能性も考えられます。

ロゴを隠したパターンAで一旦しのぎ、新しく作り直したパターンBが登場。そしてレギュレーションを気にする必要のなかった2004年の親善試合では、言わばお古のユニフォームを何らかの理由で再登場させた。
このような仮説も成り立つ…かもしれません。
実はこのユニフォーム、2004年か2005年頃に長袖のみが一部で販売されたものでした。当店でも前身ショップ時代にこのユニフォームを新品で扱ったので、よく覚えております。

長袖のみという点を不自然に感じていましたが、もしもフランス戦の1試合のみでお役御免となり、ハッキリ言ってしまえば不要品となった選手用が流れ出たものだったとすると、この不自然さも腑に落ちます。
勿論これは仮の話であり推測でしかないのですが。

その辺りの真相はともかくとして、単純にレアなウクライナ代表ユニフォームとしておすすめのアイテムです。